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サイト『果てない大地 遠い空』の別館です。 異文化SchoolDays企画でのチャットに関するレポート、なり茶告知の場所です。
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気障な台詞に定評のあるシンが通りますよ!
しかしこれは酷い。
イタリアの空気に影響されて調子に乗り過ぎた。
空夜さんのヒーローっぷりが恥ずかしい。
空夜は自分のキャラじゃないけど恥ずかしい。
こういう話を思いついたこと事態が恥ずかしい。
言い回しも台詞も何もかもが気障で恥ずかしい。
書いてる時はノリノリだったのに完成してから読み返すと恥ずかしくて死にたい。

取り合えず、だいぶ前から言ってた空姫パロです。
何とか有言実行に出来ました。
書き始めた当初はそんなつもりはなかったのにリフィスとグータスの出番が思ったよりも多くなった件について。
リフィスとグータスの関係やエルハンド国とユーゲン国の関係やリフィスの強さ等は脚色してます、パロディなので。
空夜ちゃんがエセ過ぎますすみません。
いつもの事だけどところどころ意味が分かりません。
世界観的にはロード・オブ・ザ・リングみたいなイメージ。


*****


空を舞うのは黒い鳥
その鳥は優しさを知らない
帰る場所も待つ者も存在しない
その代わり限りない自由を持っている
生きていく力を持っている

塔の上に住むのはお姫様
何も出来ない箱入り娘
だけど誰よりも優しさを持っている
囚われの姫は外を見ている
届かない自由をずっと見ている


ばさり。
ひときわ大きい羽音が部屋に響いた。
ふわりと揺れる白いカーテン越しに影が映ったかと思うと、ドサリと部屋の中に倒れ込んできたものがある。
それは、赤い髪を持った黒い鳥―――いや、魔族だろうか。
だがその容貌は魔族というにはあまりにもかけ離れている。
腕が獣のものである事、蛇のような尾がついている事、その背から大きな黒い翼が伸びている事を除けば、それは完全に人間の男の姿だった。
そしてその男は今、全身に傷を負い息も絶え絶えに床に臥している。
軽い足音がしたかと思うと、隣の部屋から少女が姿を現した。
輝くブロンドの髪を腰までうねらせ、清楚なドレスに身を包んだ姫だ。
その姫は男を目にしてビクリと身を震わせた。
男は顔を上げて、姫を見て―――その目に恐怖の色が浮かんでいる事を認める。
いつもの事だ。
騒がれないうちに飛び去るか、それともこの女を殺して、見つかるまでこの部屋に身を潜めて身体を休めるか―――男は後者を選んだ。
これ以上逃げ続ける体力は残っていない。
姫に気付かれないように密かに、ギリリと手に力を込める。
その時廊下が騒々しくなったかと思うと、扉が勢いよくノックされた。
男と姫は、ハッとしたように同時にそちらを見た。

「はい」
扉を開けた姫に敬礼し、護衛兵が緊迫した声で伝える。
「不躾に申し訳ありません。近空に魔族らしき者が現れ、護衛兵が討伐を試みたのですがどうやら仕留め損ねたようで…この辺りの窓に降り立つのを見たのですが」
「ええ」
兵の言葉に姫は青ざめた様子で頷いた。
「一度は窓から入ってきたのですが、今しがたどこかへ飛んで行ってしまいました。どうぞ入って」
姫に通されて駆け込むと、その言葉通りそこには何の姿もなく、ただ床の血の汚れと散った黒い羽が確かにそこに魔族がいた事を示していた。
隊長らしき者が開いた窓から外を見回し、他の者に何やら指示をすると兵達は慌ただしく出て行く。
「失礼しました。姫に危険が及ぶような事態を許してしまい申し訳ありません。ご協力ありがとうございます」
「いえ、そちらこそお疲れ様です」
そのまま再び敬礼して出て行こうとした隊長を呼び止めて、姫がおずおずと訊ねた。
「…あの者は、何か悪さをしたのですか?」
「いえ、でも魔族ですから。ご安心ください、何かする前に我々が防いでみせます」
安心させるようにそう笑って、今度こそ出ていってしまうと部屋に静けさが戻った。
姫が慌ててバルコニーに駆け寄ると、バルコニーの隅にあるシーツがもぞもぞと動いて問題の男が顔を出した。
血がしたたり落ちて床に痕跡を残さないように姫が咄嗟にシーツを巻き付け、そのままバルコニーに押しやったのだった。
「…大丈夫、ですか」
「何を企んでいる」
心配そうに声をかける姫に対し、その男は敵意を露わにして睨み付ける。
「何も企んでなんかいないわ。護衛兵に追われているのでしょう?見つかったらきっと殺されちゃう」
「…俺は人間じゃねえ、魔族だ。怖くないのか」
いつの間にか消えていた巨大な翼を再び出し、脅すように広げてみせた。
しかしその黒い翼も、今は血で濡れてみすぼらしい形となっている。
それを見て姫が顔を歪めた。
「怪我人に人間も魔族も関係ないわ。手当を…」
「触るな」
姫が伸ばした手を払いのけ、頭部から流れる血を拭ってみせる。
「手当なんか必要ねえ。これ位、数日休めば動けるようになる。―――人間風情が、俺に触るな」
そう言って姫を睨み付けるその目にあるのは、拒絶と軽蔑と―――恐怖の色。
悲しそうに笑って姫は手を引いた。
「…私はあなたに酷い事はしないわ。その状態だとすぐには動けないでしょう。ここならきっと安全な筈」
真っ直ぐに魔族を見て、言葉を続ける。
「触るなというなら触らないけど…せめて名前は教えてくれないかしら、魔族さん。私はアルミス・ツィベルトと申します」
「…名前なんかねえ」
魔族はアルミスから視線を反らしそっぽを向いた。
その言葉にアルミスは手を合わせて驚いたような顔になった。
「まあ、そうなの?では私、あなたの事を何とお呼びすればいいのかしら」
「知るか」
俺に関わるなというオーラを全身から出しているにも関わらず、アルミスはにこにこと笑う。
「そうね…では、ソラ、はどうかしら。あなたは空からいらしたから、ソラ」
アルミスの言葉に呆気に取られたように男はアルミスを見上げた。
その反応にアルミスがオロオロする。
「き、気に入らなかったかしら?じゃあ、じゃあ…」
「空夜」
チッ、と舌打ちしてポツリと自分の名前を告げる。
「俺の名前は空夜だ。これで満足か」
「コウヤ、さん」
空夜の名前を反芻して、嬉しそうにふわりと笑う。
「空夜さん。あなたの事は誰にも言わないから、身体を休めて怪我を治してください。ここにいる間だけでも…仲良くしてくださると嬉しいわ」


変な女だ、それがアルミスの第一印象だ。
初対面の時こそ怯えた様子を見せたものの、空夜に対して警戒する様子を全く見せない。
魔族である空夜がいつ自分を切り裂くかもしれないという事を、考えはしないのだろうか。
アルミスは本当に空夜を匿うつもりのようだった。
隙を突いて誰かが空夜を捕まえるでも殺すでもなく、バルコニーに身を潜めている限り空夜の存在を知る者はいなかった。
日に二回、決められた時間にメイドが部屋を掃除する以外は、部屋の中まで入ってくる者は殆どいない。
食事はアルミスがパンを持ってきてくれた。
鳥にあげるとごまかしているからこんな物しか用意出来ない、と申し訳なさそうな顔をする彼女だったが、空夜には十分だった。
雨に打たれ、自分を殺そうとする者から逃げ、その日その日を何とか凌ぐような生活をしてきた空夜にとっては経験した事のない贅沢である。
最初は拒否していたものの、アルミスがあまりにも真剣に、何度もその必要性を説くものだから、つい手当を許してしまった。
空夜がいる事を隠しているというのにどのようにしてごまかしてきたのか、消毒液と清潔な包帯を持ってきて丁寧に手当をしていく。
美味しい食事と安全な寝床と清潔な手当により、空夜の体は次第に回復していった。
それに呼応するように、徐々にアルミスに心を開いていく。
話す空夜の声が、表情が穏やかになっていくのがアルミスは嬉しかった。


「外のお話を、聞かせて」
草原の事、海の事、空から見た町や森、移り変わる四季―――空夜は多くの事を知っていた。
そんな彼に、アルミスはよくそう言って話をせがんだ。
私は外に出る事は出来ないから、と。
彼女はこの国の姫ではなかった。
故郷であるエルハンド国から、敵対しているこのユーゲン国へ人質としてさらわれてきたのだという。
故郷は長年この国による理不尽な仕打ちに耐えてきたが、自分がさらわれた事で不穏な空気が一気に高まり、戦争へと向かう動きが出ているとアルミスは顔を曇らせた。
戦争はして欲しくない、互いに傷つくだけだから。
なのに自分のせいでこんな事になって、悲しいと俯く。
さらわれて閉じこめられて辛い思いをしているのは自分の筈ななのに、その事には触れもしないのだ。
「お前はどうなんだ?お前自身は。お前、辛い思いしてんだろ?こんな国潰れてしまえばいいとは思わないのか」
空夜の言葉に、アルミスは静かに首を振った。
「王子は非道な人だけど…ここの人達は悪い人ではないわ。あまり親しくはしてくれないけど―――でも、みな私に同情してる。見る目で分かるの」
同情という言葉に空夜の顔色が変わった。
ダン、と壁を打ちつけてアルミスを睨む。
「…何でだ?同情されて、何でそんな風に笑ってられる?俺なら、同情なんざした奴ら全員八つ裂きにして―――…」
「空夜さん」
激昂する空夜を、アルミスの静かな声が押しとどめた。
「同情だって、立派な感情よ。確かに上から目線での感情かもしれない。一方的に決めつけている事かもしれない。それでも、自分と同じ生き物として、彼らなりに痛みを感じているのよ。同情がある限りはきっと分かり合える」
少しの間をおいて、アルミスは静かに言った。
「一番残酷なのは…同情ではなくて、無関心だわ」
無関心―――それは、空夜自身が畏怖と憎悪の果てに受けてきたもの。
空夜の握りしめた拳が知らないうちに震えた。

空夜は、人間と魔族の両方の血を持つ、どちらに属する事も出来ない存在だ。
物心がついた時には既に、空夜は独りだった。
幼い彼を護ってくれる者はおらず、人々の自分を見る目が普通ではない事に気付いていた。
人ざらなる力を持つ魔族の子供。
それでも完全な魔族ではなく、普段はどちらかというと人間に近い容姿を持ち人間として暮らす彼を、魔族として理由もなく殺す事は出来ない。
彼が成長するに従い、人々のその視線には新たな感情が加わった。
軽蔑と警戒と―――畏怖の目。
出来るだけ空夜に関わるまいと人々は空夜に無関心を装った。
空夜は町を出た。
原野を超え、魔族が数多く潜む地域に足を踏み入れた。
誰でもいい、家族や友達と呼べる相手が欲しかった。
自分を温かく迎え入れてくれ、支え合って生きる事の出来る存在が欲しかった。
例え、その対象が魔族だとしても。
だがここでも空夜は招ざかれる者だった。
魔族に比べては力が劣っていたし、何よりもそれまで人間の中で暮らしてきた空夜は、人間に染まり過ぎていた。
魔族は空夜の事など気にも留めなかった。
彼が人間から外れている事は分かっていたから殺す必要性はないし、自分達の邪魔をしない限り空夜の存在はないものとされた。
軽蔑も畏怖もなかったが、そこでもまた無関心が空夜につきまとった。
空夜は、人間の世界からも魔族の世界からも居場所を失った。
昼間に行動をすると人間に襲われるから、出来るだけ夜に動くようにしていた。
ひっそりと、夜の闇に紛れるように。
「―――空夜」
「え?」
唐突な発言にアルミスが顔を上げた。
「空夜、俺の名前。俺の故郷の言葉で“夜の空”っつー意味がある」
押し殺したような声で、淡々と言う空夜。
「…空夜、さん?」
どこかいつもとは違う空夜の様子にアルミスが手を伸ばしかけた時、空夜がバッと顔を上げた。
「夜の空だ!真っ暗な、この羽さえ溶け込む暗闇が俺にはお似合いなんだよ!」
追いつめられたようなその表情。
思わずアルミスは、伸ばしかけて止めた手を再び伸ばした。
ふわり、空夜の頬に柔らかく触れる感触がしたと思うと、空夜はアルミスに抱きしめられていた。
「…空夜さん、そんな事ないわ。暗闇なんて、事。夜空は確かに暗いものだけど、だからこそ見えるものがあるでしょう?」
驚きで固まったままの空夜から少し離れて、アルミスが優しく微笑む。
「地上が闇に包まれても、空には月や星があるわ。夜空は地上を照らすのよ」
「―――なに、言って…」
反論しようとして、言葉に詰まる。
今までそんな風に言ってくれる者などいなかった。
そもそも名すら問われた事はないのだ。
自分だけは自分の名を覚えていようと半ば意地になっている、それ以外には何の意味も成さないものだった。
そんな彼の名を、彼自身を認めてくれる人がいた。
彼女は言葉を続ける。
「私は地上にしかいられない。あなたは空を飛ぶ者。あなたは私に外の世界の事を教えてくれたわ」
「っ…お前はっ、地上にはいねぇだろうが!」
語気を荒げる空夜にアルミスが驚いたような顔になる。
「馬鹿げてる、地上を照らすのは空じゃねえ、月だろ。月が全部照らしてんだ、夜空じゃねえ!」
怒ったように怒鳴って顔をそむける空夜。
それでも、その顔にあるのは怒りではない。
そのまま何も言わずにアルミスに背を向け、部屋からバルコニーに出て座り込む。
そんな空夜を見て、アルミスは寂しそうに少しだけ微笑んだ。

高い塔の上に住むお姫様は地上にはいない。
空に近い場所で空と地上を照らす。
それは、月。
空夜にとって、アルミスは初めて自分を照らしてくれた存在、月だった。
そしてそれはきっと、自分だけではない。
こいつはこんな所に閉じこめられてていい人間ではない、そう思った。
戻してやろう。
アルミスの故郷、本来いるべき場所へ。
彼女を愛し、温かい想いで包んでくれる人間のいる場所へ。

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