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サイト『果てない大地 遠い空』の別館です。 異文化SchoolDays企画でのチャットに関するレポート、なり茶告知の場所です。
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久々のスラルフ!!!!!!
出来た、今日はこれが完成するまでは寝ないって決めてたんだ、良かった良かった!

出演:唯真・スライル・ラルフ

例によって例の如くこの三人です。
何か…キャラが違うかも…;
お借りしましたあああぁぁ!!!!!!

*****


「待ちなさい!今日という今日は逃がしません」
「お前それいつも言ってんじゃねーか」
ブチ切れて破壊活動を続ける者と挑発しながら逃げる者、れっきとした大人である音楽教師が二人。
それを止める事の出来る者は数少ない。
そして自分は、その数少ない者の一人に入っている事を知っている。
普段はにこやかに笑って止めるというのに、珍しく彼女はジト目で傍観していた。
「だから、サボるつもりだったんじゃねーんだって。気付いたら足が勝手にだな…」
「死になさい」
目を光らせてスライルに向き直った唯真が、一瞬唖然とした顔になった後で慌てふためいた。
「ラッ、ラルフ先生!!?いらっしゃったんですか!す、すみません私ったら…!」
ラルフ先生がいらっしゃる事にも気付かず危険が及ぶような事を、と赤面と焦りとで挙動不審になる唯真に、ラルフはいつもの笑顔でにっこりと笑う。
「うふふ、楽しそうだったものだから、つい見とれちゃったわ。唯真先生ったら、私にはそんな顔見せてくれないのだもの」
「はわわ、そんな、ラルフ先生に対して怒るわけが…!」
「そうよそうよ!ラルフ先生みたいな美しい人に怒るなんて出来るわけなぁーい!」
唯真の背後から茶化すように口を挟むスライルを、唯真が振り返って睨み付ける…よりも早く、ラルフの鋭い視線がスライルを射抜いた。
「スライル先生、それだけ遊んだならいい加減に満足したでしょう?さっさと音楽室に戻ったらどうですの?あなたなんてバイオリン弾いてるしか能がないんですから」
「…かしこまりましたお嬢様…」
いつもとは違うラルフの様子に、唯真はおろかスライルまでも困惑した顔で彼女を見やる。
「それじゃあ、ね。唯真先生、また今度一緒にお弁当でも食べましょ?」
パッと、テレビの画面が切り替わるように笑顔になって唯真にウインクして見せた後、ラルフは踵を返して去った。
「…俺あいつに何かしたかぁ?」
「愛想を尽かされましたね。当然です今まで尽かされなかったのが不思議なくらいです」
静かに切れたままの唯真をチラリと見て、あいつはお前みたいに短気な女じゃねぇよ、と呟く。
その余計な言葉にまた挑発されて、唯真がスライルをギロリと睨んだ。
「ラルフ先生を怒らせるような事したら私が許しません。いいえやっぱり貴方なんて彼女を怒らせてとっとと振らててしまえばいいんです。貴方が彼女を振る事は許しません」
どっちだよ、と突っ込むスライルの言葉を無視して、プイッと顔を背けると彼女もまた廊下の奥へと姿を消した。
「…何だってんだよ、どいつもこいつも」
髪をかき上げて、スライルは盛大に溜め息をついた。


盛大に溜め息をついて、ラルフは机の上に突っ伏した。
なんて可愛くない女。
スライルがふざけて人をからかって遊ぶのが好きなのは前からだし、唯真とスライルの喧嘩もいつもの事だ。
それでも、分かっていても。
男性嫌いで男を寄せ付けない、男との関わりをあまり持たない唯真が、同じ音楽教師とはいえ唯一スライルにだけは他とは違う態度を見せているように思うなんて。
そんな彼女の気持ちを分かってて、スライルもあえて絡んで怒らせて楽しんでるような気がするなんて。
なんて邪推だらけの、可愛くない嫉妬。
再び大きい溜め息をついた後、ラルフは勢いよく起きあがると顔を振った。
どうせ自分のそんな態度など、スライルはすぐに忘れて気にもしていないだろう。
好きなら、近い存在でいたいなら自分から近付けばいいのだ。
作成し終わった課題プリントの内容を確認して、片付けるとラルフは席を立った。


コンコン、とノックの音が響き、間を置いてからひょっこりとラルフが顔を覗かせる。
「…スライルせんせ?」
その声に、音楽室で一人作業をしていたスライルが振り返る。
おう、とヒラヒラ手を振ると屈んでいた腰を伸ばすように仰け反った。
「…何をしていたの?」
「明日から音楽会に向けての合同練習が始まるからな。必要な楽器や道具の準備…を、押しつけられた。普段サボってるツケだつって」
明日の朝に準備が出来ていなかったら殺す、と真顔で言い放った唯真を思い出しながら、うんざりした顔で並べた楽器類を見渡す。
「わぁ…毎度の事ながら、楽器って本当に色んな種類があるのね。手伝いましょうか?」
「いやいいよ、運ぶのお前にゃ重いだろ。手入れにも手順があるしな」
平然とした顔でいかにも重そうな楽器をガタガタと動かし、部品を取り外して確認しては綺麗に拭いて戻していく。
手持ちぶさたでぼんやりとその様子を眺めていたラルフが、思い当たったようにまた話しかける。
「…椅子を並べるだけでも…」
「椅子だけは唯真が並べてた。いいよ、別に頼めそうな事もないしお前もう帰んな」
作業を続けるスライルに、今度こそ本当に手持ちぶさたになってラルフは居心地悪そうに視線を彷徨わせた。
「…スライル先生、今度時間がある時って、あるかしら?」
「時間?しばらくは忙しいと思っけど…何?何か用事でもあんの?」
恐る恐る出した誘いの言葉が、ことごとく素気なく投げ返されて戻ってくる。
「…別に」
そっぽを向いて、次第にラルフはふくれっ面になってきた。
普段はこっちの都合にお構いなしに絡んできて、我が儘に拗ねて強引に振り回すのに、こういう時だけ。
こっちがその気になってる時に限って気付かない、素っ気ない、この鈍感さは如何なものだろうか。
私だってたまには甘えたいのに、優しくして欲しいのに、私だけを見て欲しいのに。
「あぁそういやでも、お前確か前に…」
言いかけて振り返ったスライルがギョッとした顔になる。
「…何で泣いてんの、お前?」
「泣いてないわよっ!」
ボロボロと涙をこぼしながら怒ったように否定して、ラルフは勢いよく立ち上がると扉の方へ向かおうとした。
その腕をスライルが慌てて掴む。
「おい、説得力ねーって。何だよ、何泣いてんの」
「知らないっ、もういい、スライルの馬鹿っ」
何で私がスライルの事で泣かなきゃいけないのよ、と怒りつつも立ち止まったまま腕を振り払おうとしないラルフ。
スライルは助けを求めるようにキョロキョロと顔を動かした後、どうすればいいか分からず困ったように取りあえず頭を撫でてみた。
「子供扱いしないでよっ」
文句を言いながらグスグスとされるがままのラルフの頬に手を当てて、無理矢理顔を上げさせる。
「言えって、さっきから何なの?俺、お前を怒らせたり泣かせるような事したのか?」
「…私を見てよ」
涙声でラルフが口を開く。
「もっと私だけを見てよ、他の女性と仲良くしないでよ。私はいつも貴方だけを見てるのにずるいじゃない。貴方はいつもお構いなしに私を振り回すのに、私に振り回させないなんてずるいじゃない。嫉妬したっていいじゃない、たまには甘えたいのよ、酷いじゃない」
だだっ子のように支離滅裂な言葉を紡ぐラルフを、真面目な顔で見つめる。
「…ぶっさいくな顔」
「!」
慌てて手を振り解こうとするも、させまいとスライルの手に力が込められた。
ズイと自分に近付くスライルに、今更自信なさ気に視線を反らす。
「“私だけを見て”欲しいんだろ?見せろよ。甘えたいんだろ?甘えろよ。振り回せばいいだろ、俺が振り回されるのなんてお前だけなんだから」
その言葉にきょとんとスライルを見上げてから、また視線を反らしてふて腐れたようにポツリと呟く。
「…取りあえず、ギュッてして」
未だ涙目だし、ふくれっ面は怒っているのか拗ねているのか、その顔の赤面は涙でか照れでかは分からないけど。
もう、逃げようとはしていない。
ふ、と笑って、スライルは手を回した。
「かしこまりましたお嬢様」


*****


あっかん!!!!!!!!!!
やべぇ駄目だこれ悶えるしかない何だこの羞恥心はもうお前ら一生そうやっていちゃこいてろ。
恥ずかしい!もう寝る!

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無題
またもや恒例のようにコメントが遅くなり申して誠に申し訳なく候OTZ
久々スラルフ滾った!!!
個人的にネタとか云々関係なしに、ラルフ関連で小説を一番書きやすいのがスラルフとラル唯だったりする、つまりこの組み合わせは正義。
スライル先生・唯真先生・ラルフはもはや三点セットですね把握www
ってか拗ね方とかぐずり方がラルフっぽくて笑ったwww
そうそう、アイツ以外とガキっぽいからwww
親が違和感のなさに慌てる程度にはナチュラルにラルフでしたwwww
ってか唯真先生マジイケメン過ぎるww
もう歪みない男前具合に私がgkgkするわホントにww
唯真先生がいい女過ぎてマジやばいです、唯真先生結婚してください(((

スライル先生も、普段はあまり見れない困ったような表情とか、動作とかぁああああ!!!
イケメンは困っていてもイケメンですよねオケ把握!
一番最初スライル先生に話しかけるときの、ラルフの口調が絶秒に嫌みっぽくてww
ちょ、今度からラルフが嫌み言うときこの口調で行きますww
絶妙すぎたマジツボったwww
そしてそれに対するスライル先生の返しもwww
マジこの二人の掛け合い好きすぎるww
スライル先生・唯真先生・ラルフの組み合わせは、どう組み合わせても掛け合いが面白いから最高だと思いますww
ちょ、マジスラルフ滾りました、素敵小説ありがとうございましたvvv
サイトにこっそり乗せたいと思います(許可とれや)
マジで眼福ありがとうございましたぁああああ!!!
イトル 2011/08/09(Tue)23:29:42 編集
>いっちゃん
そんな、早いとか遅いとか関係ないのよコメントだけで嬉しさが半端ないんだから!!!
忙しそうで体調も悪(?)そうなのにわざわざコメントありがとう!!!!!!
というか有り難い言葉の数々に嬉しすぎて何からコメ返すればいいのやらwww

と、取りあえず!
拗ね方・ぐずり方が違和感ないってマジか!良かった!
ラルフ先生が意外と子どもっぽい(『意外と』←ここ重要)のを踏まえた上で、こんな拗ね方してたら可愛いなという私の願望だけで好き勝手書いた!
けど実際どんな感じなんだろうと思ってたからwww
唯真っちも私の願望です、てへぺろ☆(
本家の唯真っちはもっと漢前でいい女で、でもラルフ先生の前では半端ない純情っぷりを発揮するのだと信じて疑いません(真顔)

って、絶妙な嫌みwwwそんなところまで感想をwww
ぶっちゃけそこは何も考えずに言わせた嫌みだったりするから、そんなツボって貰えたら嬉しいと同時に『絶妙な嫌み』といういっちゃんの絶妙な表現に笑ったwww
絶妙な嫌みwww絶妙な嫌み口調のラルフ先生も大好きです楽しみにしていますwww

スラル唯(略しよった)は私の中でどこまでいってもスラル唯なようで、今までスラルフ書くと必ず唯真先生も出てきている件。
こいつらもう友人になっちゃえよ…と思いつつスライルがスライルである限り、ラルフ先生がラルフ先生であり限りは唯真先生的に無理だと気付きました(スラ→怒 ラル→照)
だがそんなスラル唯が好きだ(末期)

こっちこそラルフ先生をお借りした上に幸せすぎるコメントまでありがとおおおおぉぉぉ!!!!!!
楽しかった!(´∀`)


おっと言い忘れてたぜ。
こっそりサイトに掲載なんて不可能だ。
何故ならサイトの方も適時チェックしているからな…(どやぁ)
シン 2011/08/10(Wed)00:24:30 編集
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