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サイト『果てない大地 遠い空』の別館です。 異文化SchoolDays企画でのチャットに関するレポート、なり茶告知の場所です。
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やったぞ私はやったぞ。
憧れの、世界×世界。
影ノ虚さんの3Wのさっちんと、一部葉琉君と扇架様をお借りしました!
…すみません…捏造にも程がある…onz
玖音の仕事ってこんな事するのかしら…
ていうか僉神の力もよく分かってないのに…
あと姿を消したり好きな場所に現れたり出来るのかどうか分からない超分からないよ捏造だよ!
しかも読みにくい…よね、コレ…onz
マジですみません でも世界×世界って憧れだったんだ…!
せっかく思いついたから書いてみたくなったんだ…!

あと内容が暗いというか、何か後味が悪いかもしれない!
いやそういう話のつもりで書いたんだけど(

名前が一切出てきませんが、幼い少女はナスクです。

*****



歴史とは繊細なものだ。
誰かと話した一言、交わした握手、すれ違った一瞬。
いや、大地を踏みしめたこの一歩でさえ。
歴史の流れを変えてしまう場合がある。
大抵の場合、そこまで心配する程のものではない。
例え変えてしまったとしても、それを元に戻そうとする力が歴史の流れにはあるものだから。
だがごく稀に、どこか狂ったまま進んでしまう事がある。
今回はその珍しい一例という事だろうか。
 
 
「…気が進みませんね」
溜め息をついた私の呟きを耳にして、葉琉が笑う。
「何やさっちん、えらいアンニュイやんかぁ?」
「…あなたも知らない訳ではないでしょう?今回の私の任務」
今回の仕事は、歴史の流れを元に戻す手助けといったところだろうか。
二年ほど前に、私は仕事の一環でとある世界に干渉した。
その時の何らかの弾みで、その世界にある村の運命が変わった。
それが影響してその世界の歴史までもが変わりつつあるらしい。
その歴史軌道を修正せねばならない。
それは扇架が行う事だが、命の存在までをもその修正の中に組み込むと狂いが生じやすい。
私の仕事は、その修正が滞りなく行われるように、本来なら死んでいる人間をその運命に従って殺す事だった。
「せやかて今更やろ?人間の十人や二十人、殺す事ぐらい」
「葉琉…平和に生きている、何の非もない人間を殺さないといけないとあっては、いくら私でも気が重くもなりますよ」
「そかそか」
カラカラと笑う葉琉。
嗚呼、私も彼のような気楽さが欲しいものです。
とはいえしなければならない事なら、いつまでも渋ってもいられない。
いつものように、私は心を閉ざした。
何も感じないように、動じないように。
―――そう、相手はただの有機物の塊だ。

 
私はのどかな村に足を踏み入れた。
農業が主なのだろう、あちこちで牛や羊が草をはんでいる。
「見慣れないね、観光客かい?」
「この辺は何もないだろう」
気さくに私に話しかけ、笑う気の良い村人達。
本来ならば一年ほど前に、この村で虐殺事件が起こる事になっている。
死者多数。
その事件で死ぬ筈だった人々が今回のターゲットだ。
ターゲットのリストを確認しながら剣を抜き、反応する間を与えず瞬時にして斬り捨てる。
後処理や微調整は扇架が行うから、私は余計な小細工までする必要がない。
大騒ぎになろうが私の姿を見られようが、とにかく決められた人間を殺しさえすればいいのである。
次々とターゲットを探し出して斬りながら、私は内心驚いていた。
戦いとは無縁の世界で生きる人間とは、こうも無防備なものなのか。
こんな楽な仕事ならすぐに終わるだろう。
この村が混乱に包まれる頃には全て終わり、扇架の修正によって過去の事件となっている筈だ。
人口の少ない小さな村である為か、予想していたより遙かに早く仕事がはかどった。
最後のターゲットが住む家へと向かう。

―――♪一番星が歌いだす 遙かな惑星(ホシ)の子守唄

家の前に立った時、歌が聞こえてきた。
この世界の童謡だろうか。
家の裏に回ると、若い女性と幼い少女がしゃがみ込んでガーデニングをしながら歌っていた。
ふと、女性が顔を上げる。
それにつられるように少女も顔を上げ、好奇心たっぷりというようにその瞳を私に向けた。
「―――あら、うちに何か…?」
女性が立ち上がり、手の土を軽く払って近付いてくる。
医療関係者だろうか、土に混じって薬草や消毒液の匂いがする。
そんな事を考えながら、私は機械的にその女性を斬った。
これで今回の仕事は完了だ。
どさり、と女性が倒れる音を背に、私は去ろうとした。
そっちの方を確認する必要はない、後は扇架が全て上手くやってくれるだろう。
それなのに、
「―――ミズミ、さん」
その時つい少女の方を振り返ってしまったのは、少女が小さくそう呟いたせいか。
ちらりと見た少女の瞳が、この辺りでは見ない綺麗な緑だったせいか。
それとも、この村で本来行われる筈だった虐殺の原因がその少女にある事を聞かされていたせいか。
倒れた女性を見て少女は呆然としていた。
恐怖でも哀しみでもなく呆然と、ただ信じられないというように。
次の瞬間にはぐにゃりと空間に歪みが生じ、本来あるべき世界の姿となった。
親子が住んでいた家には今は誰も住んでいないのであろう、その扉は固く閉ざされている。
手入れが行き届いていた庭は雑草が伸び、荒れ放題となっている。
あの少女はどうしたのだろう。
自分のせいで村人や親を殺され、故郷を追われ、少女は今どんな暮らしをしているのか。
ふとそんな好奇心に動かされ、私は影に姿を消した。
呆れたような顔をする扇架が目に浮かぶが、気にしない事にする。
葉琉ではないが、たまにこんな気まぐれを起こしたところで罰は当たるまい?
 
 
次に私が姿を現したのは山の中だった。
海が近いのだろうか、草や土に混じって潮の香りがする。
少し離れた場所にある家を見ると、なるほどその前に先ほどの少女がしゃがみ込んでいる。
話しかける口実は何でもいい。
そうだ、道を聞く為に、お父さんかお母さんはいるかと聞こう。
そうすれば、少女が今どんな暮らしをしているのか多少なりとも分かる筈だ。
私は話しかけようと近付いた。
その足音を聞き取ったのか、少女が顔を上げる。
―――修正する前の世界で見せた、好奇心たっぷりな表情はそこにはなかった。
どこか陰りのある瞳が私を捕らえると怯えたように立ち上がり、家の中へと駆け込んでしまった。
記憶は修正されているから、私の事など知る由もない筈なのだが。
予想外の反応に唖然としたまま、私はその場を去ろうとした。
その時再び扉が開き、中から私とさほど歳の変わらないであろう男性が出てくる。
「どうかしました?」
「―――あぁ、すみませんね。道をお尋ねしようと思ったのですが…」
私の言葉に納得したように笑うと、山を降りる道を丁寧に教えてくれる。
穏やかで優しそうなこの男性が今は少女の保護者となっているのだろうか。
丁重に礼を言って去ろうとする私に、その男性は苦笑して言う。
「先ほどはあの子がすみませんね。…ちょっと色々ありまして、知らない人の姿を見ると怯えるもので」
「…いえ、構いませんよ。気にしてませんので」
再び礼を言って歩きながら、私は馬鹿な事をしたものだと後悔した。
こんな風に、仕事でしか関わらない世界の人物に興味を持つべきではなかったのだ。
いや、何も私がこんな気持ちになる事はない。
これが本来あるべきこの世界の姿なのであり、私はその修正に少し手を貸しただけに過ぎないのだから。
今更、この私の良心が痛むなどおかしな話だ。
そう思うものの、私の脳裏には…怯えたように私を見る、鮮やかな緑の目が焼き付いて離れなかった。

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無題
不意打ちくらいましたどうしてくれるんですかもう大好きです子の野郎・・・!!!(何様!?)
って、シンさんバリバリ本編×本編できるじゃないですかぁ・・・!
禿げを通り越して永久脱毛並みに萌えました、頭部は寒いですが心は熱く燃え滾っていますハァハァハァハァ(エヘエヘ)←キモイわ!
自分でも早く世界観とかその他諸々詳しく書こうと思っていた矢先のこの先手・・・!
凄い・・・ちょ、さっちんがちゃんと玖音の仕事らしい仕事しちょる・・・!!!(爆)
シンさんの書かれたとおり、死ぬはずだった人(大人数)が死なずにいた場合、軌道修正のために玖音が始末するという黒設定が脳内にあったのですが・・・まさか読まれた?エスパーシンさん!!??(ゴロワルッ!)
重い話ばっちこいですとも、寧ろサディスさんの90%は切なさと悲しみで出来てm(待てそこ)
小説の方にコメントをくださってありがとうございましたと言いたい所ですが・・・貴方も十分パネェです(真顔)←何故此処で言う
もう、もうっ!!責任とってなっちゃん嫁に貰うか娘にしちゃえよさっちん!(どっちも俺得じゃねぇか)
本当にありがとうございましたシンさん、とりあえず永久脱毛級に剥げた頭にマフラーを巻いて暖を取りながらこちらの小説は頂いていきます。
そう、ハルパンの如く華麗に!!(宣言してる時点で既に駄目だろ)
しかし・・ミズミさんとは手ブロに書かれていたあの女性、ですよね・・っ(涙)
くっ、仕事のためとはいえ・・・超切なすぎる・・・!!!
あの幼いなっちゃんを抱いて笑ってる絵を見てる分、胸にグサグサと何かが突き刺さります・・・そうか、これは萌えのナイフが私を切り裂いて(もはや意味がわからんわ)
兎に角ありがとうございました・・・滾りましたぞ・・・!!
シンさんに早くPCが自由に使える日が来ることを祈っております。
だってシンさんの作品(絵とか小説とか漫画とか)を拝見してエヘエヘしたいかr(自己発電しとけ)
乱文と怪文章で申し訳ありませんでした・・・!大好き!!!
影ノ虚 URL 2010/01/04(Mon)19:56:50 編集
>影ノ虚さん
良かった…!
いえ、私ホント本編×本編出来ないんですよ…!
何らかの繋がりがあって、何らかの絡み設定がないと…!
なので企画用ネタもそういうキャラさんとの話しか思いつかないという;;
でも影さんのサディラル小説を読んでてピーンときたというか、ネタが降臨したというか!
いや良かったですちゃんと玖音の仕事になってて;;
Σ脳内に同じ設定があったですと!? (´゚Д゚`)
いえ私は影さんの脳内を読んだ記憶はありませんが、そうだとしたら私と影さんは何かが繋がっているのだと思わr(ry

はい、ミズミは手ブロに描いてたナスクの育ての親です (´-`)
いえいえミズミは本来殺される人間なのでさっちんは痛みを覚える必要はないのですよ(自分で書いておいて)
手ブロにちらっと描いただけのキャラなのに覚えてくださってて嬉しいです (`・ω・´)
切ないと言えば、さっちん絡みの話を考えようとするとどうしても切なさが混じるのですが何ですかこれはさっちん効果ですね分かります。
こんな駄文ですが喜んでいただけたなら良かったです~。
こちらこそさっちんと葉琉君と扇架様を貸していただいてありがとうございました!
シン 2010/01/04(Mon)20:38:47 編集
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